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「・・・貴様、随分と嘘が上手くなったらしいな」
事情聴取を終えたイザークの一言はやっぱりブリザード付きだった。
「嘘じゃないって!!」
必死に言うアスランの格好は下半身がイチゴパンツで、いまいち必死さが伝わらない。ふん、と鼻で笑うイザークにどういえばいいのか分からなかった。
「君がいるのに浮気なんてするはずないじゃないか!だいいち、クライン邸でラクスに何かしようなんて思ってもできるはずないことくらい君にだってわかるだろう」
使用人のいる家でその家のご令嬢とそんなことをするなんて、たしかにアスランのヘタレっぷりを思えば無理そうな話だ。壁に耳あり、な状況でプラントの歌姫をベッドに引きずり込むなんて芸当できるはずもない。
説明になんとか納得したらしいイザークは、だがそれでもまだ不機嫌そうだった。
「なら・・・どうしたら機嫌直してくれるっていうんだよ」
完全にお手上げだとばかりにこぼすアスランにしばらくしてイザークは口を開いた。
「そうだな、貴様に俺の『勝負パンツ』を履いてもらおう」
「勝負・・・パンツ?!」
「あぁ、ディアッカが言っていた。一番大事なときに履く下着のことだ」
言いながらイザークはクローゼットの奥にある引き出しを開けて中を探し出す。
「一番大事なときって・・・」
どんなときのことを言うのだろうと首を傾げるアスランの前に、得意な顔をしたイザークが立ちはだかった。そして「どうだ!」とばかりに手にした下着を広げて見せた。
「これを履け!」
「え・・・」
目の前にあるのは真っ赤なパンツ。
シルクと思われる光沢のある布がブリーフの形に縫い上げられている。
「い、イザーク?!」
「母上が用意してくださった、初陣のときのための下着だ」
「あ、あのさ」
「安心しろ、まだ俺は使ってない新品だ」
いや、そういう問題じゃなくて・・・。この真っ赤なブリーフとイチゴのトランクスは同じくらい恥ずかしいと思う。履けなんていわれても、その相手がイザークだとしても。
「なんだ、ラクス嬢の選んだものはどんなものでもよくて、俺の勝負パンツは履けないというのか」
その言い方は十分に毒を含んでいて、どうやらイチゴ柄はイザークにとっては相当許せないものらしい。
「あ、いや、でも・・・」
言いよどむアスランにイザークは厳しい視線を向ける。
「・・・・・・」
美しいブルーの瞳に睨め付けられてアスランは盛大なため息をついた。
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