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毎日、毎朝、鏡を見るたびにそこにあるのは母親にそっくりな自分の顔だった。銀色の髪も青い目も白い肌も誰が見てもコピーのようにコーディネイトしたとわかる姿かたち。 ただ一人の家族である自分を残して、自らの手で人生に終止符を打ってしまった、もうこの世にはいないその人の存在が鏡の中にはあった。
自分がZAFTに戻らなければよかったのだろうか、と何度もイザークは考えた。議員をしているときは母親は喜んでいた。母親の減刑と引き換えといういきさつはともかく母が望んだことが叶ったのだ。自分の愛する息子が議員の正装をしている姿をみる顔は本当に嬉しそうだった。どんなに夜遅くなっても起きて待っていて仕事の話を聞きたがったし、それを聞いているときは半幽閉という自分の立場を忘れているかのように、あれこれアドバイスをしてくれたりした。まるで昔の幸せな生活に戻ったかのようにイザークでさえ錯覚をしたほどだ。
だがそれはイザークの望んだ道ではなかった。だから母親には正直に話をした。いずれは議員になることも考えるが今はまだ時期ではないから、と。自分には軍人として遣り残したことがたくさんあるから、それをきちんと果たしたいのだ、と。母親はそれに反対はしなかった。少しだけ寂しそうな顔は見せたがそれでも最後には賛成してくれたのだ。だからZAFTへと復帰した。
それなのに―――。
後悔の念は深く鋭いナイフの傷のようにイザークを苛んだ。眠れなくなって、睡眠薬もほとんど効かないで起き続けているような状況だった。涙は一滴も流れなかったし、食事の味を感じられなくなった。ディアッカがいつもそばにいることでなんとか生活に支障のないようにはなっていたけれど、それでもイザークの心は自分を許さなかった。そして母親とそっくりの顔を見ることを拒絶するかのようにイザークは視力を失ったのだ。
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