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 その夜、ディアッカはイザークの部屋に来ていた。
 来ていたという言い方はあまり正しくないのかもしれない。彼はすでにイザークの部屋に同居しているようなもの だったのだから。隊長と副官という立場ではあったけれど、周りの隊員には何も言わせない雰囲気で、暗黙の 了解のごとく自分の部屋よりも多い時間をイザークの部屋で過ごしていた。当然に暗記している暗証キーを押して 本人不在の部屋にさえ入り込む。そして、帰りの遅い隊長を待っていたりするのだ。
 そして今日は遅くまで会議があるとかでディアッカは先に帰ってきていた、もちろんイザークの部屋に。
 ディアッカがシャワーも浴びてベッドの上で雑誌を読んでいると部屋のドアが開く音がした。それに続く盛大なため息。
 身軽にベッドから降りるとディアッカは部屋の主人を迎えに出る。
「おかえりイザーク」
「あぁいたのか」
 不機嫌度70%くらいの声のイザークは、制服の上着を脱いでイスの上に放り出した。それをすかさず副官は  ハンガーにかける。
「長かったんだな、会議」
「くだらんことをいつまでも繰り返すだけで、あんなもの時間の無駄だ」
 ほとほと疲れ果てたという様子で、イザークは言う。彼は本当に現場向きなのだろうとディアッカは思う。
 問題なく事務方の折衝もこなせるだけの能力はあるのだが、彼の性格からして会議などは向いていない。
 しかも自分がその場でそれほど上の立場ではないとなれば、ストレスはたまる一方だろう。
「まぁ、そういうものも必要なんだからさ。お疲れさま」
「ふん」
 不機嫌全開でベッドに腰掛けるイザークを隣に座って抱き寄せるとディアッカはキスをする。
 それでほっと息をついたイザークはディアッカの肩に頭を預けた。
「シャワー浴びて来いよ。さっぱりするぜ」
「ああ」 
 言うとイザークはシャワールームへ消えていく。
 それを後ろから眺めながら、ディアッカは作戦の実行するのに今夜がぴったりだと思いニヤニヤとする頬を  引き締めるのだった。

 シャワーを浴び終えたイザークが戻るのを待ちきれない様子で、ディアッカはその場から攫うようにして  イザークをベッドへと運んだ。疲れたイザークはディアッカに激しく抱かれてそれに酔いながら、情事を終えると  意識を失うようにして眠り込んでしまった。
「ちょっとやりすぎたかな」
 隣で寝ているイザークを眺めながら、ディアッカは独り言を言う。その体に毛布をかけてやりながら、ディアッカはbr>  シャワーを浴びに立ち上がった。そこからあがると、部屋中の時計を1時間進めてから自分もイザークの隣で  眠りについた。その作戦が成功することをひそかに祈りながら・・・。


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