事の発端はミゲルの訪問だった。
「おーい、みんないるかー?」
ラウンジでくつろいでいたイザークたちのもとにやってきた金髪の少年はそう声をかけた。
「見りゃわかるだろ、ここにいるのはいつもの面子だぜ」
グラビア誌を広げながらディアッカが答えると、それを取り上げてパラパラとページをめくってチェックする。
「あぁ? 5人組全員いればいいや」
5人組というのはアスランとニコル、ラスティにディアッカにイザークといういつもつるんでいるメンバーを指して言う通称のことだ。
「全員これ、引けよ」
手にして出したのは古典的なくじ。紙を折って作ってあるくじを掌に載せてミゲルは言った。
「なんですか? これ」
ニコルが確かめるとミゲルはそれには答えずに笑った。
「いいから引けって。ほら」
促されてニコルは一番に小さな紙片を手に取った。
「まだ開くなよ。他のやつらも早くしろよ」
しぶしぶといった感じで隣のアスランが引き、ラスティは「えーいっ」と気合を入れて摘み上げた。ディアッカは奪われた雑誌を取り戻してから残った2個のうちの一つを手にし、イザークはさんざん遊ばれてる手前、警戒しながら最後に残ったくじを強引に押し付けられた。
「んじゃ、レッツオープン!」
掛け声とともに5人は小さな紙切れを開いた。
「なんだこりゃ」
ラスティが声を上げた。他の4人の視線も同じ意味合いでミゲルに向けられている。
「で、当たりは誰だった?」
「僕です」
手を上げたのは最年少の少年。
「お、もったいないな。似合いそうなのに」
ミゲルは楽しそうにそう言ったが、他の4人は未だに意味がわからないでいる。
「ラスティは何だ?」
アスランの問いかけに「トナカイB」とオレンジの髪の少年は答えた。
「俺は・・・サンタBだよ」
そのやり取りを聞いていた先輩は「じゃあ残りのお前らはまた組だな」とイザークとディアッカを向いた。
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