「なんでやる気になったんだ?」
イザークは覗き込むようにして聞いてくる。その顔は真剣でキレイだった。
「そうだな・・・、オレもダイアモンドになりたくなったから」
Diamond
卒業試験の成績が発表されるロビーには大勢の生徒たちが待ち構えていた。
そこにはニコルにアスラン、ラスティといったいつも上位のメンバーたちもいる。もちろん、イザークとディアッカも発表は今かと待ち構えるようにして並んで立っていた。
「約束覚えてるだろうな」
イザークが真っ黒なディスプレイを見ながら言う。
「もちろん、イザークこそ守ってくれよな」
余裕たっぷりにディアッカは言い、イザークの隣でニヤニヤと笑った。
そしてデジタルの時計が13時ちょうどを示した瞬間にいっせいにディスプレイが文字の光で溢れた。
生徒たちは自分の名前を探して一瞬息を呑む。凍りついた空気が一気に溶けたのはイザークの「ちくしょうっ」という小さな声だった。
1位のところにある名前はアスラン・ザラだった。自分より上位にあるアスランの名前にイザークは悔しそうにギリギリと歯軋りをする。そして気がついて隣にいる少年の名前を目で追った。
「ディアッカ、お前・・・」
金髪のクセ毛の少年の名前は6位という位置にあった。
「Aクラスには届かなかったけどな。約束は守ったぜ」
ディアッカはそう言ってイザークを見た。約束、という言葉にイザークは忌々しげにディアッカを睨む。
「おまえ・・・・・・いつものあれは何だ」
ディアッカは普段の成績でも20位以内に収まることの方がすくなかった。10位以内であれば配属後はザフトレッドと呼ばれるエリートの階級になるのだ。
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