「おはようございます、ディアッカ副長」
食堂に現れたディアッカに士官の一人が挨拶をしてきた。
だが、その言葉にディアッカは自分の耳を疑って間抜けなほど大きな口をあけてしまった。
「はぁ?」
それは昨日の野次馬の中にいた顔だった。
「今、何て言った?」
ディアッカは聞き返す。
「ディアッカ副長、ですけど」
「副長か。悪くないな」
あとからついてきたイザークがそこに口を挟んだ。その士官は慌てて姿勢を正して敬礼をする。
「・・・ってオレは隊長付きの副官だけど、『長』って立場じゃないぜ?」
「でも、ディアッカさんていうのもおかしいということになったのでそう呼ばせていただきます」
その士官は至極まじめな顔をして答える。
「おかしいってことになった・・・ってどこでだよ? オレは聞いてないんだけど」
「以前は赤だったということも分ったので・・・。士官みんなで決めました」
そこへシホがやってきて説明に加わった。その顔はディアッカへの申し訳なさも微妙にあわられている。
「シホ、お前が調べたのか?」
イザークの言葉にシホは頷く。
「はい。勝手なことをして申し訳ありません」
「いや、構わないさ。別に隠してるわけではないのだからな。ディアッカも別に問題ないだろう?」
イザークに問いかけられてディアッカはしぶしぶ頷く。
「問題はないけど。心地よくはないな」
「そんなものは慣れの問題だ。おとなしく受け入れるんだな」
イザークは昨日の射撃の一件が単なる訓練だけでは終わらなかったということを理解し、同時にディアッカが隊員に受け入れられたということも理解してひそかに安堵した。
ディアッカの性格からしていずれは隊員となじむのだろうとは思っていたが、彼の実力はたった一度の出来事でそれをクリアしてしまったようだ。さすがにディアッカだ、とは思ったがそれをイザークは表に出すことはしない。
「わっかりましたよ、隊長」
言ってふてくされるディアッカにシホはほっとした笑みを浮かべる。
「何か面倒なことがあったら、副長に頼むようにな、シホ」
笑いながら言うイザークの笑顔にシホは驚いた。隊長がこんなに柔らかい顔をするなんて、と。だが同時に、そこに二人の間に自分には入り込めないものを感じて自然と割り切った気持ちが浮かんでくる。
「了解です、隊長」
受けて笑うシホの言葉にディアッカは「勘弁してくれよ」と肩をすくめるとその場で笑いが起こった。
この日以降、ジュール隊には他の部隊にはない『副長』という地位が誕生した。
それが公私共に隊長の隣に立つ者であるということを隊員たちが思い知らされるのには、もう少し時間が必要になる―――。
END
2005/4/4
あとがき。
どどどと書いた副官のお話(笑)。
いつもはやる気ないという設定のうちのディアッカさんですが(笑)、
イザのためなら実力を発揮しちゃうというシーンが見たくなって書きました。
本当は戦闘シーンでがつんと活躍とかさせたかったんですが、
私の描写力では戦闘シーンはかけないので射撃で勘弁(苦笑)
そして、ディアのことを一番信頼してるのはイザークっていうのにも萌えてたりvvv
シホちゃんはゲームとかでも一度も目にしたことがないので性格とかは想像です(汗
私の大好きな作家さんであり、この作品をとても気に入ってくださった 6counterの平秋吉さまに捧げました
どどどと書いた副官のお話(笑)。
いつもはやる気ないという設定のうちのディアッカさんですが(笑)、
イザのためなら実力を発揮しちゃうというシーンが見たくなって書きました。
本当は戦闘シーンでがつんと活躍とかさせたかったんですが、
私の描写力では戦闘シーンはかけないので射撃で勘弁(苦笑)
そして、ディアのことを一番信頼してるのはイザークっていうのにも萌えてたりvvv
シホちゃんはゲームとかでも一度も目にしたことがないので性格とかは想像です(汗
私の大好きな作家さんであり、この作品をとても気に入ってくださった 6counterの平秋吉さまに捧げました