見上げる紺碧の瞳に吸い寄せられるようにして、その唇にキスを重ねた。
「暗闇が怖くないってわかれば大丈夫?」
「そんなこと、できるわけない」
「できるって言ったら?」
「嘘つけ」
「じゃぁ試させろよ」
言うとイザークをベッドに押し倒した。
「何するっ!」
「セックス」
臆面もなく告げるディアッカにイザークは顔から火が出る勢いで赤面した。
「俺は男だっ」
「知ってる」
両手を押さえ込んでイザークに覆いかぶさる。
「お前が抱くのは女だろっ」
「今まではな。でも今抱きたいのはお前だ」
同室になってから、チャンスは何度もあったものの、イザークがそれを拒むのはわかっていたから、 ディアッカはキスどまりのプラトニックな関係で我慢していたのだった。プライドの高い彼を傷つけるわけにはいかない。
そう思ってキスと甘い抱擁だけの関係で立ち止まっていたのだが。
「もう限界」
いいながら柔らかな唇に吸い付くような口付けをする。
「やめろ」
抵抗するイザークに、一瞬寂しげな瞳でディアッカが問いかける。
「オレが嫌いか?」
「……」
返事がない。その様子にあきらめかけたディアッカがその身を起き上がらせようとした。
「わかるのか」
「え?」
唐突な問いかけに意味を見失ってディアッカは間抜けな答えをした。
「怖くないって」
「あぁ。お前がオレを嫌いじゃなければ、きっとな」
自信にあふれたやさしい笑みを浮かべてディアッカはもう一度キスをした。
それに抵抗はしないイザークは瞳を閉じると一言だけ答えた。
「お前なら、いい」
その言葉に目を見開くと満足な笑みを浮かべてディアッカは手元のパネルでベッドサイトのライトを消した。
訪れた暗闇にイザークの身体がこわばる。そっとキスをしてその緊張をとくようにしてやるディアッカ。
「大丈夫、オレがいる」
胸元のボタンをはずしながら、その白い肌に口付けを刻み込む。明かりがあればきっとそれは赤く鈍い色を放っているだろう。
「目を閉じて、オレのことだけ考えてろよ」
「わか…っ…た」
銀の髪を振り払いながら、耳元に口付ける。ささやく声はそっと甘い。
「消えないようにオレの想い、ここんとこに刻み付けてやるから。お前は一人じゃないってしるし」
言い終えるとちょうど心臓の真上にくっきりと跡が残るようにキスをした。
「暗くてもオレがいるのわかるだろ。ちゃんとほら、感じる?」
ぎゅっと強く抱きしめる。
「あぁ」
言いながら抱き返してくる。予想外の反応にディアッカは荒々しく口付けた。
「怖くないだろ、暗くても。暗いほうがずっと相手を感じられるんだけどな」
様子を伺うように覗き込む。
「暗いほうが、いい。明かりつけたら俺はっ…」
その表情は見えないが、羞恥に赤らめているのは簡単に想像できた。
「なら、暗いまま、な」
ぎゅっと目を閉じてイザークは全身に力を込めていた。
「ちから、抜けよ」
スイッチは知っている。イザークの力を抜くには唇に甘いキスを降らせてやれば簡単だってことを。それをそのまま実行する。
「…んっ…」
「愛してる、イザーク」
ささやきは切なく、けれどきっぱりと告げられる。
「オレがお前を守るから。暗闇の中でもいつも、ずっと」
腕の中で愛する人が小さくうなずいた気がしてディアッカは、毛布をかぶるともう一度強くその身体を抱きしめた。
END
2004/12/7
あとがき
ええっと、相変わらずのフリ長すぎですね・・・。
書いているうちにだんだんディアッカが大甘になってしまう。
なぜだーーーーっ。
そして私の書くイザークはどーして乙女ちゃんなんでしょう。
もっとがんがんに切れてるプライドの塊みたいのが書きたいなぁ。
ええっと、相変わらずのフリ長すぎですね・・・。
書いているうちにだんだんディアッカが大甘になってしまう。
なぜだーーーーっ。
そして私の書くイザークはどーして乙女ちゃんなんでしょう。
もっとがんがんに切れてるプライドの塊みたいのが書きたいなぁ。