「なぁ、イザーク」
「なんだ?」
もう話題が切り替わったテレビを見たままでイザークは返事をする。
「なんであの時キスしてきたの?」
ずっと聞いてみたかったことを口にする。
「知らん、忘れた」
プイと横を向くイザーク。その頬があのときの桜のように色づいたのがわかってオレはにやりと笑いながらイザークを抱き寄せる。
「嘘つき。忘れてないって言ったじゃん」
「嘘じゃない! なんでなのかは忘れたって言ってるんだ。それに、じゃぁお前はあのときなんで・・・・・・」
言う先をオレはキスで封じる。
「それは今と同じ。イザークにキスしたかったから」
その言葉にイザークはゆっくりと腕をまわすとあのときとは違う大人びた顔で笑った。
「なら、俺も同じだ。お前がしたから・・・」
言って眼を閉じて唇を重ねる。
オレたちの関係はあのときよりずっと深く強くなったけど。
でもキスするときの気持ちだけはずっと変わらない。
どきどきする心と幸せな気持ち。そのすべてが腕の中の存在に伝わるように。
これからもずっと大切にするから。
桜の季節。
思い出すたびに誓う、あのときの二人に。
イザークの心の中にどれくらいオレの居場所はあるんだろう。
そんなことを思いながら、オレは恋人をぎゅっと抱きしめる。
アイシテル--------そっと耳元でささやきながら。
END
2005/4/16
あとがき
わー、恥ずかしいっ///。
こいつら誰なんだよ、って突っ込みたくなる幼い二人を書いてみました。
久しぶりにこれはお題作品。「初キッスな二人」でございます。
ついでに「お花見な二人」という一部のリクエストにも答えたつもりです(苦笑)
いちゃいちゃ当たり前なうちのディアザに慣れきってるので、
初々しさを書くのが難しかったです。しかも、二人の関係がいまいち書けてないし。
ずっとブログで騒いでいたわりに、こんな出来で申し訳ないです。
これはaik○の「桜の時」という曲のイメージで書きました。
ポイントは"右手"です(笑)
4月のうちの完成できてよかった・・・・・・。